嵐山と嵯峨野
京都の観光コースとして人気が高いのは、嵐山と嵯峨野でしょう。人気の観光コースにあげられる要因の一つに、景観の素晴らしさがあるでしょう。四季を通じ、自然を体感できる有名なスポットです。春の桜は桃源郷を思わせ、青竹の若い香りが心を癒します。秋の紅葉は燃えるように美しく、まるで絵画の中に紛れ込んだような錯覚さえ起こします。自然と古都の歴史が都会の時間の流れと逆行し、いにしえの世界に訪れた人を誘いこみます。日本の四季が堪能でき、時間がゆっくり流れる、それが嵐山と嵯峨野の魅力といえるでしょう。
京都を訪れたなら、保津川の川下りを体験してみてはいかがでしょう。この川下りは京都亀岡から嵐山まで約2時間、16kmの航程です。両側に迫る山々が、京都の季節を川面に映し出します。夏は深い緑が川面に涼しげな陰を落とし、秋はもみじが川面まで赤く染め、見事な紅葉を観賞することが出来ます。ここでは人が船を漕ぎ、昔ならではの川下りを経験することが出来ます。この保津川は、多くの文芸作品の舞台にもなった情緒のある川です。川下りをしながら、文学の香りを楽しんでみるのもいいかもしれません。川下りをしながら一句詠んでみるのも、粋でいいと思います。
嵯峨野には嵐山から保津川峡に沿って、トロッコ列車が走っています。嵯峨野トロッコ列車と呼ばれるこの列車で、約7.5km、25分の旅が楽しめます。この列車コースである保津川渓谷は、絶景で名高く嵯峨野の四季を余すことなく楽しむことができます。山陰本線旧線を利用して運行されているトロッコ列車は、毎年多くの人々に嵯峨野の景色を楽しませてくれます。嵯峨野を訪れたなら、レトロの香りがするトロッコ列車で、美しい車窓の四季と景色をお楽しみください。
嵯峨野は京都盆地の西北に位置しています。嵯峨野エリアを散策すると、自然以外にも観光スポットが多く存在することに気付くでしょう。源氏物語の舞台になった、野宮神社付近の竹林を散策すると、光源氏が歌を詠んでいる場面に遭遇するのではないかと、錯覚してしまいそうになるでしょう。藤原定家が百人一首を選んだとされる厭離庵は、尼寺として現存しています。いにしえの時代から育まれてきた文学が、ここ嵯峨野にはまだ脈々と流れ続けています。あなたも嵯峨野の小径を歩きながら、古今和歌集や源氏物語に触れてみていてはいかがでしょうか。